おすすめ映画・書籍など のバックアップの現在との差分(No.1)

第二次世界大戦のうち、ミリ姫大戦と関わりの深いヨーロッパ方面での陸戦を主にした作品を紹介。
随時追加希望。

映画編 Edit

サハラ戦車隊 Edit

アメリカ(1943年)
原題:Sahara
監督:ゾルタン・コルダ
主演:ハンフリー・ボガート


1942年の北アフリカ。
ロンメルの大攻勢で味方が撤退する中、エンジンが故障し置いて行かれたM3中戦車「ルル・ベル号」の3人の乗組員たちは、
どうにかエンジンを直してはぐれ部隊として撤退していた。
道中別の敗残兵やイタリア軍捕虜、撃墜したドイツ軍パイロットなどを連れながら一行は水を求めて砂漠をさまよう。
ようやく見つけた古井戸からわずかに湧きだす水を貯めていると、その水を求めてドイツ軍もやってくる。
砂漠の水をめぐる両軍の戦いの行方は。


戦時中の戦意高揚映画の一つではあるが、様々な国や人種を織り交ぜて人間模様を描いており、
単純な勧善懲悪ものというわけでもない。
ドイツ軍の将校は典型的な(ハリウッドで描かれる)ナチス的な悪役である一方、イタリア軍の捕虜は泣いて命乞いをしたり、
「ムッソリーニを嗤う者は多いが、妻子を持つと笑うに笑えないんだよ」と意味深な台詞を言うなど、同情的な面が目立つ。

ナバロンの要塞 Edit

アメリカ(1961年)
原題:THE GUNS OF NAVARONE
監督:J・リー・トンプソン
主演:グレゴリー・ペック、デヴィット・ニーヴン、アンソニー・クイン


1943年、ギリシャのケロス島でイギリス軍将兵2000名が孤立した。
トルコを味方に引き入れたいドイツ軍はトルコへ示威行為としてこの部隊を全滅させようとしていた。
救出作戦が決行されるものの、艦艇は隣のナバロン島にある2門の要塞砲により撃退されてしまう。
艦砲射撃・空爆のいずれも効果はなく、ケロス島のイギリス軍に危機が迫る中、
精鋭の特殊部隊により島の断崖絶壁を登って潜入、爆破する作戦計画が立てられた。
天才登山家マロリー大尉、爆薬の専門家ミラー伍長らの作戦は成功するのか。


アリステア・マクリーンによる大人気冒険小説の映画化作品。
戦争映画というより冒険映画の趣があるが、ギリシャ軍全面協力の圧倒的なボリュームも見どころ。
ミラー伍長役のデヴィット・ニーヴンはクレタ島駐屯時代のアーカートの友人。

史上最大の作戦 Edit


アメリカ(1962年)

原題:The longest day

監督:ケン・アナキン、ベルンハルト・ヴィッキ、アンドリュー・マートン

主演:ジョン・ウェイン、ロバート・ミッチャム、ヘンリー・フォンダ他


1944年6月。

かねてより連合軍内部で計画されていたフランス本土への上陸作戦「オーバーロード」の実行は

悪天候により延期を余儀なくされていた。

ドイツ軍も警戒を強めていたが、悪天候下では実行できないだろうという予測、

あるいは上陸地点をカレーかノルマンディーかで意見が別れる。

ロンメルは悪天候で連合軍の動きがないと判断し、妻の誕生日を祝うため自宅へ戻った。

一方連合軍はこれ以上の延期は出来ないとしびれを切らす兵士たちをなだめつつ、現場ではギリギリの判断が続く。

6月6日、僅かな天候回復の兆しが見えるという報告により彼らはそれに賭けた。

かくて、史上最大の作戦とも言われるノルマンディー上陸作戦が幕を開けた。


コーネリアス・ライアンの原作を元に制作された一大戦争映画。

当時としては破格の制作費に加え、米英独の著名なスターが大勢出演する超豪華作品でもある。

枢軸と連合双方の視点から作戦の前段階~進行が全体の流れとして分かりやすい。

一方映画は上陸完了の時点で終わってしまうので以降の流れをつかみにくいかもしれない。

関連ミリ姫…アイゼンハワーギャビンブラッドリーロンメル

鬼戦車T-34 Edit


ソ連(1964年)

原題:Zhavoronok

監督:ニキータ・クリーヒン、レオニード・メナケル

主演:ヴヤチェスラフ・グレンコフ、ゲンナジー・ユフチン


大祖国戦争勃発から1年。

ドイツ軍の捕虜収容所ではT-34戦車への対策を取るべく、鹵獲したT-34に捕虜を乗せて砲撃の的にする非道な実験が行われていた。

しかし反骨精神旺盛な戦車兵イワンは、同乗者ののっぽのピョートル、少年兵アリョーシャ、そしてフランス人でロシア語の通じないジャンとともに、

見事な計略で戦車ごと脱走に成功。

追跡するドイツ軍から逃れようと祖国へひた走る。


作った時期とソ連製なことも相まって同時期のハリウッド製映画と比べると退屈なシーンも多いものの、本物のT-34を用いた戦車が走り回るシーンは必見。

全体的にコメディタッチな話が続くが、衝撃的な結末で映画は終わる。

単なるプロパガンダ以外にも戦争の虚しさを問いかける作品。

バルジ大作戦 Edit


アメリカ(1965年)

原題:Battle of the Bulge

監督:ケン・アナキン

主演:ヘンリー・フォンダ、チャールズ・ブロンソン、ロバート・ショウ、テリー・サバラス


1944年12月、ドイツ軍は連合軍に一大攻勢をかけるべく、開戦時からのベテラン指揮官ヘスラー大佐を呼び寄せ、真新しいティーガー2戦車部隊の指揮を命じる。

長年ヘスラーの相棒を務めたコンラッド伍長は新兵ばかりの戦車部隊に不安を感じつつも、ヘスラーに付き従う。

一方連合軍ではクリスマスには戦争が終わると楽観ムードが漂っていたが、カイリー中佐は大規模な反撃の可能性を考え必死に情報収集を続けていた。

やがて深い霧に包まれた中、ドイツ軍の大進撃が開始される。


バルジの戦いを元にした大長編作品。

ロケ地と装備にスペイン陸軍の装備を借りたため、ドイツ軍戦車役はM47戦車、アメリカ軍戦車役はM24とリアリティのかけらもないが、

すさまじい数による戦車戦は圧巻の一言。

ただし史実に沿わない描写も多く、映画公開後隠居していたアイゼンハワーから抗議文を送られたりもした。

コンラッド伍長役のハンス・C・ブレヒは自身も東部戦線に従軍経験があり、史上最大の作戦やレマゲン鉄橋にも出演。

ドイツ軍人でありながらどちらかと言えば良心的な役どころをいつも演じている。

関連ミリ姫…マコーリフ(本人は登場しないが有名な「Nuts!」の下りは再現されている)、ドイチェ(彼女が放置ボイスで歌う「パンツァーリート」は、この映画で使用されたことがきっかけで有名になった曲である)

空軍大戦略 Edit


イギリス(1969年)

原題:Battle of Britain

監督:ガイ・ハミルトン

主演:ローレンス・オリヴィエ、エドワード・フォックス


1940年5月、ドイツの電撃戦によりフランスは瞬く間に占拠されていった。

フランス本土へ派遣されていた英空軍も撤退し、ドイツは次の目標をイギリス本土へと定める。

数の上ではドイツ軍の1/4しか持たない英空軍はレーダー網を張り巡らせて対抗策とし、

英国上空での壮絶な空中戦が始まる。


多数の飛行可能な実機を用いて制作されたことで話題になった長編映画。

英軍機だけでなく、ライセンス生産品を多数保有してた当時のスペイン空軍の協力も得て、

両陣営の実機が飛び交う貴重な映像でもある。

レマゲン鉄橋 Edit


アメリカ(1969年)

原題:THE BRIDGE AT REMAGEN

監督:ジョン・ギラーミン

主演:ジョージ・シーガル、ロバート・ボーン


1945年に入りドイツの劣勢は決定的となった。ドイツ軍はライン川要所の橋をことごとく爆破し、連合軍の進撃を食い止めようとする。

ブロック将軍はクルーガー少佐に橋の防衛と爆破を命じる。

しかしクルーガー少佐が現場にたどり着くと爆薬もなく、1600名いるはずの守備隊はすでに200名以下になっていた。

一方の連合軍も、撤退するドイツ軍6個師団が橋を渡る前に殲滅、あるいは橋を爆破して退路を断とうと動いていた。

橋への進軍を命じられたハートマン中尉たちの部隊はすでに完全に疲れ切っていたが、次々と課せられる理不尽な命令によりレマゲン鉄橋へと迫る。


戦争末期、実際にあったレマゲン鉄橋の攻防戦をモデルにした映画。

敗色濃厚で装備も補給も満足にいかないドイツ軍と、勝ってはいても前線の兵士たちには何らの恩恵もなく上の命令に振り回される連合軍。

勝ちも負けもない不条理とやるせなさが全編に漂う。

戦略大作戦 Edit


アメリカ(1970年)

原題:KELLY'S HEROES

監督:ブライアン・G・ハットン

主演:クリント・イーストウッド、テリー・サバラス、ドナルド・サザーランド


ノルマンディー上陸作戦以降戦い続けていたアメリカ軍のある小隊は、いつもあとから来た部隊に手柄を取られていた。

今度も大都市への一番乗りを取られ、田舎で休暇。そんな中ドイツ軍将校から聞き出した金塊の在り処を求めて、

それを盗み出そうと敵陣へ潜入する。


いわゆるアクション・コメディ映画。

ニヒルなケリー軍曹、口は悪いが部下を思いやるビッグジョー曹長、変人オッドボール軍曹の掛け合いや、

息詰まる銃撃戦や戦車戦などで人気の高い娯楽作品。

T-34を改造した通称「戦略タイガー」は見た目はともかく結構激しいアクションするので一見の価値あり。

パットン大戦車軍団 Edit


アメリカ(1970年)

原題:PATTON

監督:フランクリン・J・シャフナー

主演:ジョージ・C・スコット


パットン将軍の大戦中における活躍を描いた作品。

北アフリカ上陸での第二軍司令官に始まり、シチリア島での戦い、左遷、ノルマンディー上陸作戦における欺瞞作戦、

上陸後の第三軍司令官復帰、バルジの戦いでの活躍、そして失言により左遷されるまでを描いている。


遺族が協力を拒んだため伝記から起こされたパットンの二次大戦における活躍を描いた作品。

でも美化するにも限度があるよね!というぐらい全編問題児っぷりを遺憾なく発揮する。

関連ミリ姫…パットンモントゴメリーアイゼンハワーブラッドリーロンメル

遠すぎた橋 Edit


アメリカ(1977年)

原題:A BRIDGE TOO FAR

監督:リチャード・アッテンボロー

主演:ロバート・レッドフォード、ジーン・ハックマン、ショーン・コネリー他


1944年9月、進軍する連合軍は伸びきった補給線から停滞を余儀なくされた。

モントゴメリーは打開策として大規模な攻撃計画によりドイツ降伏の決定打を引き出そうと、空挺作戦の決行を要請。

アイゼンハワーもしぶしぶ同意することになり、史上空前の空挺作戦が始まる。

しかし作戦は段階的に進むすべてが上手くいかなければ破綻をきたす危ういもので、実際徐々に破綻をきたし始める…。


多くのスターを集めて制作された長編戦争映画。実際の車両や改造した航空機を用い、現地での撮影も行われたため、

予算もビッグな超大作になった。

原作者のコーネリアス・ライアンは出版直後の1974年に亡くなっている。

関連ミリ姫…モントゴメリーアイゼンハワーホロックスアーカートバスキーフィールドギャビン

シンドラーのリスト Edit


アメリカ(1993年)

原題:Schindler's List

監督:スティーブン・スピルバーグ

主演:リーアム・ニーソン


1939年10月、ポーランドの敗戦後、売りに出されていたホーロー製品の工場を買い取った一人のナチス党員オスカー・シンドラーのお話。

彼は享楽的なプレイボーイで遊び人であり、はじめはユダヤ人をただ安い労働力として雇い入れていたに過ぎなかった。

しかし徐々にユダヤ人住民たちの扱いに心を動かされ、冷酷なSS将校の手からユダヤ人を守ろうとある決意を固める。

軍に調理器具を納品する軍需工場として特例を受けながら、生産の拡大に労働力がもっと必要だと訴え、

多くのユダヤ人を工場内に労働者として連れ込み、闇市で仕入れた食料や医療品を与えた。

やがてソ連がポーランドへ侵攻してくると、シンドラーはズデーテン地方に新しく手に入れた工場へ疎開するため、

ユダヤ人労働者を連れて行くことにするが…。


スティーブン・スピルバーグ監督の名声を決定づけた傑作長編映画。

シンドラーを神格化し過ぎでは?とも言われるが、アカデミー賞7部門受賞の他各方面から絶賛されている。

プライベート・ライアン Edit


アメリカ(1998年)

原題:Saving Private Ryan

監督:スティーブン・スピルバーグ

主演:トム・ハンクス、マット・ディモン他


ノルマンディー上陸作戦においてミラー大尉以下8人の精鋭部隊に極秘任務が下された。

「101空挺師団に所属するライアン2等兵を救出せよ」

国防省が定めたソウル・サバイバー・ポリシーにより、1家族における兄弟全員の戦死という悲劇を避けるためであった。

たった一人の新兵を救出するためになぜ命がけで…。

地獄のような激戦地をくぐり抜けた8人にさらなる過酷な運命が待ち受けていた。


シンドラーのリスト以来となるスピルバーグ監督による第二次大戦の映像作品。

冒頭のオマハ・ビーチにおける非常に残酷なシーンが存命だった当時の作戦参加者たちにもリアルだと好評であり、

映画史に残るシーンとしてよく語られる。

おおよそ「この映画の前か後か」で映画が語られることも多い、結構歴史的な有名作品。*1

上記の「史上最大の作戦」で語られていない上陸後の連合軍の経過もわかる。

映画のキーであるソウル・サバイバー・ポリシーは海軍で巡洋艦に乗っていた5人兄弟が全員戦死したことを受けて、

国防省が制定した兵士の家庭に対する配慮の一つ。

ドイツ軍にも似たような配慮があり、ミリ姫ではナイグルがその該当者。

直接的な出演はないが、テイラーは101空挺師団の師団長であり、ライアン二等兵の上司にあたる。

バンド・オブ・ブラザース Edit


アメリカ(2001)

原題:Band of Brothers

制作総指揮:スティーブン・スピルバーグ トム・ハンクス

主演:ダミアン・ルイス 他


『バンド・オブ・ブラザース』(Band of Brothers)は、スティーヴン・アンブローズのノンフィクション作品、およびそれを原作にした2001年製作のテレビドラマ。

第二次世界大戦におけるアメリカ陸軍第101空挺師団第506歩兵連隊第2大隊E中隊の訓練から対ドイツ戦勝利・終戦までを描く。(Wikipediaより)


関連ミリ姫はまたしても101空挺師団のテイラー。アルデンヌ包囲戦ではマコーリフの「Nuts!」も話題に上がる。

プライベートライアンのスピルバーグが指揮を取ってるだけのことはあり*2、各種小道具や兵器類のディティールも凝っている。

ただしテレビドラマなので円盤を揃えようとすると結構高くつくのは注意。

スターリングラード Edit


アメリカ(2001年)

原題:ENEMY AT THE GATES

監督:ジャン=ジャック・アノー

主演:ジュード・ロウ、エド・ハリス


激戦区スターリングラードに送り込まれたヴァシリ・ザイツェフの活躍と、

彼を倒すべく送り込まれたドイツ軍スナイパー、ケーニッヒ少佐との戦いを描く。


ザイツェフがスターリングラードで戦い、活躍した事自体は事実なのだが、

映画ではあえてソ連のプロパガンタによる創作話であるケーニッヒ少佐との対決を描いている。

なお映画の中で女兵士ターニャとザイツェフのラブシーンがあり、妙に評価が高い。

あと一度見たら忘れないロン・パールマンのクドい顔。

スターリングラード Edit


ドイツ(1993年)

原題:STALINGRAD

監督:ヨゼフ・フィルスマイアー

主演:トーマス・クレッチマン 他


北アフリカ戦線から帰還し、避暑地で休養を取っていた兵士達は、命令によってスターリングラードに送られる。

迫り来る赤軍兵士、そして冬将軍。生き残りを賭けて戦う兵士達だったが、

負傷した仲間を助けるために上官に抗命したことがきっかけで反逆罪に問われてしまい、なかば懲罰兵として最前線に送られてしまう。


宣伝費用の問題で01年のスターリングラードのほうがあきらかに有名になってしまったが、

こっちは『靴を探すほうのスターリングラード』として根強いファンがいる名作。

ジュード・ロウのほうが赤軍側のひどさを描く映画なら、こちらは包囲されたドイツ軍のひどさを描いた映画。

前線から脱出したくてたまらない兵士達。非道にも下される市民の射殺命令。容赦なく襲ってくる飢えと寒さと、まあひどい目に遭うことにいとまがない。

スターリングラード 史上最大の市街戦 Edit


ロシア(2014年)

原題:STALINGRAD

監督:フョードル・ボンダルチュク

主演:トーマス・クレッチマン 他


1942年11月のスターリングラード。ソ連軍は大きな被害を出しながらも川を渡った。

荒れ果てたアパートに集結する兵士達。そこでドイツ兵に殺されかけていた一人の少女を助け、やがて防衛拠点として居座ったその場所で、兵士達と少女は次第に心を通わしていく。

一方、ドイツ国防軍のカーン大尉も、上官からの圧力を受けて攻勢を掛けることを強いられていた。

亡き妻の面影を持つロシア人女性に恋心を馳せるカーンだったが、命令に従うことは彼女の住みかを焼き払うことを意味することに苦悩する。

戦争の中で息づく愛と、憎しみを描いた戦争映画。


『一番最近のスターリングラード』と言えば誰かがわかる。そういう感じのアレである。

2010年以降の作品なので演出にCGを多用するが、戦闘は歩兵戦がメインで兵器類の露出は控えめ。

内容的には赤軍=主人公達だし、督戦隊や粛正云々も出てこない*3ので赤軍側に優しい内容。

CGだけでなくアホみたいな量の火薬も使っている。

ヒトラー~最後の12日間~ Edit


ドイツ・イタリア・オーストリア(2004年)

原題:DER UNTERGANG

監督:オリヴァー・ヒルシュピーゲル

主演:ブルーノ・ガンツ


1945年4月、ベルリンに迫ったソ連軍に対し、地下壕でナチスドイツ総統アドルフ・ヒトラーの最後に至るまでを描く。

戦後ずっとタブーとされ続けてきたヒトラーの内面を主題に据えた映画。

一部史実と異なる描写があるものの、高い評価を獲得した。


日本のごく一部では「総統閣下シリーズ」ですっかり有名。

(その会議のメンバーはというと、マンシュタインを何度も左遷したOKW総長カイテル元帥・大西洋の壁視察をロンメルと共に行ったこともあるOKW作戦局長ヨードル上級大将・グデーリアンの後任であるクレープス参謀総長・ロンメルに引導を渡したブルクドルフ人事局長を初め、そうそうたるメンバーである。)

例のシーンで総統が怒り出した理由であるシュタイナー戦闘団の撤退はジューコフ率いる第一白ロシア方面軍の攻勢によるもの。

その後ベルリン救援に向かったのが第9軍と、ヴェンク率いる第12軍である。

フューリー Edit


アメリカ(2014年)

原題:FURY

監督:デヴィッド・エアー

主演:ブラッド・ピット、シャイア・ラブーフ


1945年4月、ドイツへ最後の攻勢をかける連合軍部隊の中にシャーマン戦車「フューリー」の乗組員たちがいた。

車長のドン「ウォーダディー」コリアーは補充されてきた新兵のノーマンに戦争の現実を突きつける。

武装SSを憎むウォーダディーと、自らもドイツ兵の非道を目にして憎悪を募らせるノーマン。

その後部隊はティーガー戦車と遭遇し、辛くも撃破するが仲間の戦車は全滅。

さらに侵攻してくる武装SSを撃退するため、「フューリー」の孤独な戦いが始まる。


ボービントン博物館でレストアされた世界で唯一の駆動可能なティーガー戦車の本物を用いて撮影された戦争映画。

なおウォーダディーの名前は実在したアメリカのタンクエース、ラファイエット・G・プールのもの。

ただしプールは別に戦死していない。

プライベートソルジャー Edit


アメリカ(1998年)

原題: When Trumpets Fade

監督:  ジョン・アーヴィン

主演:  ザック・オース、ロン・エルダード


1944年9月、ついにドイツ国内まで到達したアメリカ軍第一軍の前に立ちはだかった、鬱蒼とした針葉樹林「ヒュルトゲンの森」。

三日前まで一等兵だったマニング軍曹は、森を流れる川に架かる橋の攻略、確保を命じられる。

しかし橋の反対側は、高台からはドイツ軍の88mm砲が照準を定め、後方には戦車部隊が待機する、まさに虎口であった。

兵士たちに「肉挽き器」と呼ばれた地獄の森で行われた、アメリカ軍「第一級の敗北」とされる過酷な「ヒュルトゲンの森の戦い」を描いた作品。


この作品には物語を盛り上げるようなヒーローや陽気な兵士は一切出てこない。

消耗しきった古参兵と、右往左往し泣き叫ぶ新兵が全滅必至の戦いを強いられ、「戦場の絆」などというものも欠片もなく、自分が生き残るために仲間や部下を利用したり平気で見捨てる。

ひたすらに陰鬱で過酷で無情な戦場を淡々と描写した、「ハンバーガー・ヒル」を撮ったアーヴィン監督らしいかなり地味でディープでリアルな玄人向け映画。

作品名「プライベートソルジャー」は明らかに「プライベートライアン」にあやかった酷い邦題で、本作に無駄なB級映画感を出してしまった。

原題の「When Trumpets Fade(トランペットの音の消える時)」は、突撃ラッパの音と共に消え行く、兵士たちの命を連想させる切ない題名である。

因みにこの時アメリカ軍第一軍を率いていたのはホッジスだった。

炎の戦線 エル・アラメイン Edit


イタリア(2002年)

原題:El Alamein - La linea del fuoco

監督:エンツォ・モンテレオーネ

主演:パオロ・ブリグリア、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ


1942年10月、北アフリカでイギリス軍と激しい戦いを繰り広げ、トブルクを落としたドイツ軍とイタリア軍だったが、戦力が不足し膠着状態に陥っていた。

そんな睨み合いの続く北アフリカに展開するイタリア軍第10軍団所属のパヴィア歩兵師団へと、学生志願兵セッラがやってくる。

愛国心に燃え、決意を秘めて戦地へとやってきたセッラが見たのは、誇り高く華々しい戦場ではなく、ただただ惨めでみすぼらしい死の溢れる、乾いた地獄だった・・・


戦場における日常に焦点を当てた作品で、戦争モノに付き物の派手な戦闘シーンは殆ど存在しない。

補給が滞り腹を空かせた兵士達が赤痢に苦しんだり、捕まえたラクダをバラして食べたり、水を確保するために奔走したりと始終こんな感じで話が進み、

戦線が崩壊して敗走、司令部に見捨てられ仲間は捕虜になり、取り残された主人公たちは砂漠を徒歩で逃げていく・・・という結末を迎える。

こんなのが面白いのかというと、実は結構面白いのである。

戦闘シーンを廃した代わりに人物一人ひとり、砂漠の情景、兵士達の日常が深く掘り下げられ、作品の味わいを深いものにしているのだ。

また軍装品に関しても完璧に近い考証が行われており、イタリア軍ファンならニヤリとすること間違いなしである。 イギリス軍戦車に関しては触れないであげてくださいw

本作における唯一に等しいイギリス軍との接近遭遇戦はオーキンレックから指揮を引き継いだモントゴメリーが実施した「ライトフット作戦」による攻撃である。

映画番外編 Edit


あんまり戦争と関係はないけれども見ておくと楽しい映画。

カサブランカ Edit


アメリカ(1942年)

原題:Casablanca

監督:マイケル・カーティス

主演:ハンフリー・ボガード、イングリット・バーグマン


1941年12月、親独のヴィシー政権下に置かれたフランス領モロッコ随一の大都市カサブランカは、

中立国ポルトガルを経由してアメリカへ亡命を図る避難民たちでごった返していた。

パリを逃れてバーを経営するリックの店に、かつての恋人イルザがやってくる。

イルザは夫であるレジスタンスのメンバー、ラズロの亡命のためにリックの手を借りようとしていた。

未だ恋心のくすぶる自分と、恋人の幸せを願ってリックは葛藤する。


戦争という状況に置かれた男女の複雑なラブロマンスを描いた名作映画。

とはいえ当初は戦時中に作られたありふれたロマンス映画の一つで制作体制も混乱の極み、

主演のボガートやヘンリードもいい加減な制作体制に何度もボヤいていた。

しかし公開後は瞬く間に好評となり、アカデミー賞を受賞している。

ミリ姫や実際の戦場などは特に関係ないが、戦時中に作られた戦時下を描いた作品として参考までに。


因みに本作は字幕の魔術師と呼ばれた高瀬鎮夫氏の名訳が光る一本。

「君を見つめることに乾杯(Here's looking at you, kid)」を「君の瞳に乾杯」と訳したセンスは一級品である。

なんとエキサイト先生に翻訳を頼んでも「君のひとみに乾杯」と訳される程である GoogleやYahooでは「あなたを見ている、君or子供」と訳される。えぇ・・

ホワイト・クリスマス Edit


アメリカ(1954年)

原題:White Christmas

監督:マイケル・カーティス

主演:ビング・クロスビー、ダニー・ケイ、ヴェラ・エレン、ローズマリー・クルーニー


ボブとフィルは二次大戦以来の戦友。退役する司令官の送別会のあと、ボブをかばって負傷したフィルは、

その時の怪我をダシに戦後コンビを組んでデビューし成功する。

ひょんなことからかつての戦友の妹二人のオーディションをすることになり、

それがこじれてやってきた休暇先で、かつての司令官と思わぬ再開を果たす。

ところが司令官の経営するホテルは倒産寸前。ボブとフィルはこの危機を救おうとひと肌脱ぐことにするが…。


クリスマスの定番ソングを題材にしたミュージカル映画。

別に実話やミリ姫に関わる話はなにもないのだが、親父と慕われた司令官を見送る「The Old Man」、

軍隊生活を懐かしむ「I wish I was back in the army」と言ったナンバーは必見。

ジャッカルの日 Edit


アメリカ(1973年)

原題:The Day of the Jackal

監督:フレッド・ジンネマン

主演:エドワード・フォックス


アルジェリアの独立運動を阻止し続けてきたコロンと呼ばれる勢力は、弱気なフランス本国政府をクーデターにより打倒、

大戦の英雄であるド・ゴールの政界復帰を求め、彼もこれに応じたことにより第五共和制へ移行した。

しかしコロンたちの思惑と裏腹にアルジェリアの独立はもはや不可避と考えていたド・ゴールは、

大統領に就任すると手のひらを返してアルジェリア独立を認めてしまった。

独立阻止を求める動きは先鋭化し、地下組織OASを結成してテロ活動を開始。

フランス警察の徹底した弾圧が続く中、ジャッカルと呼ばれる男がド・ゴール暗殺に動き出す。


1971年に出版されベストセラーとなったフレデリック・フォーサイスの小説を映画化した作品。

ド・ゴールの暗殺計画はかなりの数にのぼり、戦時中を含め合計31件もの暗殺未遂事件が起きている。

実際に起きた事件ではないがその迫真の内容で話題となった。

なおブルース・ウィリス主演のリメイク作品があるがこっちは暗殺対象がド・ゴールじゃない違う映画になっている。

書籍(回顧録)編 Edit


ミリ姫(の元になった本人)自筆あるいは聞き取りによる物。

急降下爆撃 Edit


著者:ハンス・ウルリッヒ・ルーデル

訳者:高木真太郎

発行:学研M文庫


スツーカ大佐、空の魔王、ソ連人民最大の敵とも呼ばれたドイツ軍随一の非凡な対戦車攻撃機エース、ハンス・ウルリッヒ・ルーデルの手記。

生まれてから戦争の終結時点までが記されている。

その非凡な戦果をやってのけた日々の記録が淡々と、時には軽妙に綴られている。

ティーガー戦車隊―第502重戦車大隊オットー・カリウス回顧録 Edit


著者:オットー・カリウス

訳者:菊池晟

発行:大日本絵画


敵戦車150両を撃破した戦車エース、カリウスの手記。

当初西ドイツ軍の教育資料として作成されたが、以降読み物として改定され出版されたもの。

戦車での戦いや生活の記録が克明に描写されている。

泥まみれの虎 Edit


著者:宮﨑駿

発行:大日本絵画


上記のカリウス回顧録を元に、ナルヴァでの激戦を漫画化した作品。

失われた勝利―マンシュタイン回想録 Edit


著者:エーリヒ・フォン・マンシュタイン

訳者:本郷健

発行:中央公論新社


ドイツ軍指揮官として、今日までその鮮やかな機動防御線で名を残すマンシュタインの回想録。

電撃戦―グデーリアン回想録 Edit


著者:ハインツ・グデーリアン

訳者:本郷健

発行:中央公論新社


電撃戦の立役者であり、世界に戦車の機動戦術を見せつけたグデーリアンの回想録。

最強の狙撃手 Edit


著者:アルブレヒト・ヴァッカー

訳者:中村康之

発行:原書房


ヨーゼフ・"ゼップ"・アラーベルガー本人の体験談を聞き取りという形で出版された回顧録。

戦闘の残酷さ、酷薄さがリアルに描かれた作品であり、残酷な描写も多数。

モントゴメリー回想録 Edit


著者:バーナード・モントゴメリー

訳者:高橋光夫、舩坂弘

発行:読売新聞社


モントゴメリー自身の手による回想録。

生誕から始まり軍刀一つで突撃させられた第一次大戦時代。

妻との大恋愛と悲しい死別を経て第二次世界大戦の激動を記している。

後半はアイゼンハワーブラッドリーの手記でボロクソ言われたことへの反論がいっぱい。

ただ戦後すぐに事故死したパットンについては「彼はもう死んだ」とあまり触れていない。

原語版は戦後のNATO時代の話もあるそうだが訳にあたって割愛されている。

訳者の舩坂弘は「大日本帝国陸軍が開発した汎用人型決戦兵器」「遺伝確率250億分の1で生まれる異能生存体」

「枢軸国の三怪人の一人」などとも呼ばれる有名な元帝国陸軍軍曹の舩坂弘氏。

書籍(資料)編 Edit

ミリ姫大戦イラスト集(1 重装甲編&2 軽装甲編) Edit


著者:株式会社ヘッドロック (監修) MC☆あくしず編集部 (編集)

発行:イカロス出版 (2016)


ミリ姫大戦の公式イラスト集。

ミリ姫大戦が終了し、RELOADが始まるまでの「戦間期」に発売された。

全2巻構成であり、第1巻には重戦車、中戦車、駆逐戦車が、

第2巻には軽戦車、対戦車自走砲、突撃砲、航空機、指揮車、機械化歩兵、歩兵、自走砲、

自走榴弾砲、対空車両、対戦車砲、牽引砲、榴弾砲と、リリーさんおよびバタリオンのイラストが収録されている。

また、実装が間に合わずゲームに登場しなかったミリ姫や、新規描き下ろしイラストも掲載されている。

全てのミリ姫に対して元ネタの軍人と兵器の解説がされており、全司令官必携の書となっている。

ティーガー1&2戦車 戦場写真集 Edit


著者:広田 厚司

発行:潮書房光人社


タイトルのとおりティーガーIとIIの貴重な写真を数多く集めた一冊。

なかなか他の書籍では見られない珍しい写真も多いのでこれだけでも十分価値があるが、

恐らくミリ姫プレイヤーにとって最も価値があるのは後半にまとめられたクニスペルの戦記である。

あくまで大まかにではあるがクニスペルがどのような戦場を駆け抜けたのかを日本語で読める貴重な資料。

映像資料編 Edit

ドイツ週間ニュース Edit


テレビのない当時、新聞以外のニュースとくに動画映像を見ることができる唯一のニュースとして、

映画上映前に放送されていたもの。

戦時中は放送を義務付けられていた。

1940年6月20日付の511号から1945年3月22日付の755号まで続いた。

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*1 単純な戦争映画としての評価ではなく、演出手法などの撮影技術が先進的だと評価される
*2 監督は毎回違う
*3 むしろドイツ軍がそれに近いことをやっている

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